なんだかんだ、紙のシフト表が一番わかりやすい…
「うちはずっと紙でやってきたけど、スタッフからLINE等でリアルタイムに確認したいと言われてます。
何とかしたいとは思うんですけど、正直、紙のシフト表の方が便利だと思ってて。変えようと思っても、何から始めればいいかわからなくて」
先日、こんな相談をいただきました。
この気持ち、すごくよくわかります。
毎週、手書きのシフト表を作って、お店の壁に貼る。スタッフが来たら確認する。変更があれば赤ペンで書き直す。それで何年も、ちゃんと回ってきた。
紙のシフト表って、実はとても優秀なんです。一目で全体が見渡せる。書き込みやすい。余白にメモもできる。長年使い続けてきたのには、ちゃんと理由があります。
「紙をやめなきゃいけない」なんてことは、全くありません。それだけは最初にはっきりお伝えしておきます。
ただ、スタッフから「LINEで見たい」という声が出ているのも、無視できない現実です。若いスタッフほど、スマホで確認する方が自然なんですね。「シフト確認のためだけにお店に来る」のが負担になっているスタッフもいます。
だからといって、今日から全部変える必要はありません。紙を活かしながら、LINEも使える状態にする。それだけでいいんです。
デジタル化が進まない本当の理由は「失敗したくない」から
「デジタル化しなきゃとは思っている。でも、なかなか踏み出せなくて」
こんなふうにおっしゃる経営者さん、とても多いです。
では、なぜ踏み出せないのか。
お話を聞いていると、ほぼ例外なく出てくる言葉があります。
「過去に、失敗したことがあって」
レジをタブレットに変えたら、操作が複雑すぎてスタッフが混乱した。予約管理のソフトを入れたら、使い方がわからなくて結局紙に戻した。月額料金を払ったのに、誰も使わなくて無駄になった。
こういった経験が一度でもあると、「デジタルって難しい」「また失敗したらどうしよう」という気持ちが先に立ってしまいます。それは当然のことです。失敗から学ぶのは、自然な反応です。
でも、ここで一つだけ聞いてください。
その失敗の多くは、「デジタルそのもの」が原因ではないかも。
「一気にやりすぎた」ことが、本当の原因だったケースがほとんどです。
実は間違い。「全部切り替える」とほぼ失敗します
デジタル化と聞くと、多くの人がこうイメージします。
「紙をやめて、スマホやパソコンに全部移行する」
これが、最大の落とし穴です。
たとえば、シフト管理のアプリを導入するとします。アプリを選んで、スタッフ全員に登録してもらって、使い方を説明して、紙のシフト表をやめて……一度にやることが多すぎます。
慣れていない人にとって、これは「引っ越し」をするのと同じくらいの負担です。住む場所も、家具の配置も、生活リズムも全部変わる。そりゃ、しんどい。
しかも飲食店は、毎日お客様が来ます。失敗が許されない場面が多い。「試しにやってみる」という余裕がなかなか持てない。
だからこそ、「全部切り替える」という発想そのものを、一度手放してください。
デジタル化は、大規模なリフォームではなく「棚を1つ増やす」くらいの感覚でいいんです。
正解は「やめる」ではなく「1つ足す」こと
うまくいっているデジタル化には、共通点があります。
それは、**「今やっていることをやめずに、小さなデジタルを1つ足した」**ということです。
紙のシフト表は、今まで通り作る。貼る。見る。それはそのまま続けていい。
ただ、そこに「写真を撮ってLINEで送る」という行動を1つだけ追加する。
たったこれだけです。
お店のLINEグループにシフト表の写真を送ると、スタッフはスマホでいつでも確認できます。わざわざお店に来なくてもいい。「今週のシフト、何時からだっけ?」という確認の電話も減ります。
紙はなくなっていません。アプリも覚えなくていい。やめるものは何もない。ただ、写真を1枚撮って送るだけ。
これが、失敗しないデジタル化の第一歩です。
まずはこれだけ。シフト表を”写真で送る”から始めましょう
具体的な手順をお伝えします。本当にシンプルです。
ステップ1:スタッフ全員が入っているLINEグループを作る すでにある場合は、それを使えばOKです。
ステップ2:シフト表を書いたら、スマホで写真を撮る 斜めでも、少しぼやけていても大丈夫です。読めれば十分。
ステップ3:そのグループに「今週のシフトです」と一言添えて送る 以上です。
これだけで、スタッフ全員がスマホでシフトを確認できるようになります。
「それだけでいいの?」と思われるかもしれません。いいんです。これが立派なデジタル化の第一歩です。
まずは出来そうなところだけデジタルを取り入れてみる。難しいことを考える必要はありません。
慣れてきたら「変更だけデジタル」にする
写真を送ることに慣れてきたら、次の小さな一歩を考えてみてください。
例えば、「シフトの変更連絡だけ、LINEに統一する」ことです。
今まで、シフト変更の連絡はどうしていましたか?電話?口頭?メモを貼る?
これをLINEのグループに書き込むようにするだけです。「〇〇さん、来週の火曜日に変わりが出ました」というメッセージ1つ。
これのどこがいいかというと、記録が残るんです。
「言った」「聞いてない」というトラブルが、飲食店では本当によく起きます。LINEなら、誰が何時に何を言ったか、全部残ります。言った側も、言われた側も、安心できます。
このステップも、新しいアプリは一切不要です。LINEはすでに全員持っています。追加の出費もゼロ。
作る人だけデジタル化すればOK
ここまで読んでいただいた方にお伝えしたいことがあります。
デジタル化は、全員が同じツールを使う必要はありません。
シフト表を作るのは、オーナーや店長だけですよね。スタッフは「確認する」だけ。
ということは、「作る側の1人だけ」が少しデジタルに慣れれば、それで十分なんです。
たとえば、Googleのスプレッドシート(無料で使えるExcelのようなもの)でシフト表を作って、そのリンクをLINEで共有する。スタッフはリンクをタップするだけで見られます。スタッフ側には何の操作も要りません。
でも、最初からこれをやる必要はありません。まずは写真。それに慣れたら、少しずつ。その順番で大丈夫です。
焦る必要は、全くありません。
気づいたらデジタルに移行している状態が理想
デジタル化がうまくいっている経営者さんを見ていると、ある共通点があります。
「気づいたら、デジタルが当たり前になっていた」という状態になっているんです。
最初は写真を送るだけだった。次に変更連絡をLINEにした。そのうちスタッフから「シフト、スプレッドシートで管理してみませんか?」と提案が来た。気がついたら、スムーズに回るようになっていた。
こういう流れが、一番無理がなくて、一番長続きします。
逆に失敗するパターンはほぼ決まっています。「よし、今月から全部デジタルに変えよう」と一気に進める。うまくいかない部分が出てくる。疲れてやめる。「やっぱりデジタルは無理だった」という結論になる。
違います。やり方が急すぎただけです。
小さく始めて、うまくいったら少し広げる。これを繰り返すだけで、半年後には「あれ、気づいたらかなりデジタルになってるな」という状態になっています。
まとめ|デジタル化は”変える”ではなく”足す”から
最後に、今日お伝えしたことを整理します。
- 紙のシフト表は優秀。やめなくていい
- デジタル化が進まないのは「失敗したくない」という自然な気持ちから
- 「全部切り替える」は失敗のもと
- 正解は「1つ足す」こと
- まずはシフト表を写真に撮ってLINEで送るだけ
- 慣れたら、変更連絡だけLINEに統一
- 作る人(オーナー・店長)だけが少し慣れればOK
- 気づいたらデジタルになっている、が理想のゴール
デジタル化は、お店を大きく変えることではありません。今あるものに、小さな便利さを1つ加えていくことです。
まず今日、シフト表の写真を1枚撮って、スタッフのLINEグループに送ってみてください。それだけでいいです。それが、あなたの店のデジタル化の第一歩になります。
「どこから手をつければいいかわからない」「自分の店に合ったやり方を相談したい」という方は、お気軽にLINEからご連絡ください。難しい話は一切しません。あなたのお店の現状をお聞きしながら、いっしょに考えます。
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