少人数のNPOでは、会議に出た人が進行、記録、次回準備を兼ねることがあります。手書きメモは残っていても、担当者や期限を議事録へ整える時間が取れず、次の会議まで保留事項が埋もれることもあります。

ChatGPTは、会議で何を決めたかを知っているわけではありません。しかし、人が書いたメモを「決定・担当・期限・保留」に並べ直す下ごしらえには使えます。大切なのは、入力前に情報を選び、出力後に元メモと照合することです。

この記事でわかること

  • AIへ渡す前に会議メモを整える方法
  • 決定事項を作らせない入力テンプレート
  • 元メモと照合して共有する確認手順

最初に「AIへ渡さない情報」を決める

説明: 会議メモには、参加者の氏名、連絡先、支援対象者の事情、助成金申請前の内容などが混ざることがあります。利用するサービスや団体のルールを確認できない情報は、そのまま外部のAIサービスへ入力しません。

具体例: 「山田さんがAさんの家庭状況を説明」は、「担当者Aが支援案件について説明」のように置き換えます。匿名化しても内容から個人が分かる場合は、その段落をAIへ渡さず、人が議事録を作ります。

すぐ試せる方法: メモを貼る前に、次の語がないか確認してください。

  • [ ] 氏名、住所、電話番号、メールアドレス
  • [ ] 支援対象者や会員の個別事情
  • [ ] パスワード、口座、契約、未公開の申請情報
  • [ ] 団体外へ出せない相談や人事情報
  • [ ] 他者が作成した資料の長い転載

AIには「事実を追加しない整理」だけを頼む

説明: 入力が短いと、AIが自然な文章を補うことがあります。そこで、完成した議事録ではなく、元メモにある情報だけを決まった項目へ並べるよう依頼します。不明な担当者や期限は推測させません。

具体例: 「広報チラシ、来週まで、佐藤」とだけ書かれているなら、「広報チラシ:担当 佐藤、期限 来週(具体日要確認)」と整理します。「佐藤さんが来週月曜までに完成させる」と具体化してはいけません。

すぐ試せる方法: 匿名化した短いメモで、次の入力例を使います。

以下は会議メモです。元メモに書かれた事実だけを使い、
「決定事項」「担当者」「期限」「保留・確認事項」に整理してください。

ルール:
- 書かれていない内容を補わない
- 不明な担当者・日付は「要確認」と書く
- 発言を決定事項へ変えない
- 固有名詞は入力どおりに扱う

会議メモ:
(匿名化したメモを貼る)

元メモとの照合は一行ずつ行う

説明: AIの文章が読みやすくても、正しいとは限りません。OpenAIも、ChatGPTが誤った情報や存在しない出典を示す場合があるため、重要情報を確認するよう案内しています。議事録では、決定事項、金額、日付、担当者を元メモと一行ずつ比べます。

具体例: 出力に「次回は9月1日」とあっても、元メモが「9月上旬候補」なら、確定日として残せません。「9月上旬で調整、日付は要確認」と戻します。AIが見出しをきれいにした結果、単なる意見が決定事項へ移っていないかも確認します。

すぐ試せる方法: 出力の左に元メモ、右にAI案を置き、次の印を付けます。

○ 元メモと一致
△ 表現が変わり意味を確認
× 元メモにないため削除
? 担当者や期限を出席者へ確認

共有前に「次に動く人」が読める形へ直す

説明: 議事録の目的は、立派な文章を残すことではなく、誰が次に何を確認するかを分かるようにすることです。AIが整えた文章へ人が責任を持って日付、担当、公開範囲を確定します。

具体例: 長い発言要約より、「決定:会場候補を二つ比較」「担当:運営担当」「期限:次回会議前」「保留:利用条件を施設へ確認」の方が、次の作業へつながります。対外公開用と内部共有用で内容が異なる場合は、同じファイルをそのまま公開しません。

すぐ試せる方法: 共有前チェックを担当者同士で読み合わせます。

  • [ ] 開催日、参加者、議題が元資料と一致している
  • [ ] 意見と決定事項が分かれている
  • [ ] 担当者と期限を本人が確認した
  • [ ] 個人情報や非公開情報が共有範囲に合っている
  • [ ] AIが追加した事実や数字が残っていない

決定事項は次回会議まで追える形にする

説明: 議事録を読みやすく整えても、決定事項と担当者が次回まで確認されなければ行動につながりません。本文とは別に「誰が・何を・いつ確認するか」を一覧にし、未決定の内容と混ぜないようにします。

具体例: 「広報チラシを見直す」だけでは、作業の担当と確認時期が分かりません。元メモに担当者と期限がある場合だけ一覧へ移し、書かれていなければ「担当者未決定」「期限未決定」と残します。AIに推測させず、会議参加者が確定します。

すぐ試せる方法: 議事録の末尾へ「決定事項|担当者|確認日|状態」の四列を作ってください。元メモと照合し、空欄は勝手に埋めません。次回会議の冒頭でこの一覧だけを確認する担当も一人決めます。

今日できること

公開しても問題のない架空の練習メモを三行作り、入力例で「決定・担当・期限・保留」へ整理してみてください。精度を体感した後で、団体の情報取扱ルールとChatGPTのデータ設定を確認します。AIに清書を手伝わせても、会議の意味を理解し、関係者へ配慮して確定するのは人の仕事です。

参考にした公式情報

CTA: 次回会議で実データを使う前に、団体内で「AIへ入れない情報」と「議事録を確定する人」を一つずつ決めてください。まずは匿名の練習メモで、元メモとの照合まで試しましょう。

よくある質問

録音データをそのままChatGPTへ入れてよいですか?

録音の同意、個人情報、機密情報、利用サービスのデータ取扱いを確認できない場合は入れません。まず文字メモを匿名化して小さく試します。

AIが作った議事録をそのまま配布できますか?

できません。発言者、決定事項、期限、担当者を元メモと照合し、必要なら出席者の確認を受けてから共有します。

メモが短くても使う意味はありますか?

決まったこと、担当、期限、保留を同じ形に並べる用途なら、短いメモでも次の行動を確認しやすくなります。

監修:多賀 洋平(アナデジラボ運営・Web制作者)