ChatGPTに店のお知らせを書いてもらうたびに、営業時間や店の紹介を貼り直す。前のチャットを探すうちに、どの資料が新しいのか分からなくなる。そんな時は、ChatGPTの「プロジェクト」に資料をまとめる方法があります。

プロジェクトは、関連するチャットと資料、回答のための指示をまとめる場所です。例えば「店のお知らせ」というプロジェクトを用意し、その中で季節ごとの案内を別々のチャットにすると、共通の説明を使う準備ができます。

この記事では、Web版ChatGPTで公開情報の資料を一つ追加し、二つ目のチャットでも使う練習を紹介します。資料を入れれば正しい文章が自動で完成するわけではありません。最後は原文と見比べて確認します。

最初は「公開済みの紹介文」一つで試す

用意するのは、勤務先や団体のルールでChatGPTへ入力してよい資料です。初回は、すでに公開している店の紹介など、機密情報や個人情報を含まない内容に絞りましょう。

顧客名簿、未公開の価格、担当者個人の電話番号などは練習に使いません。入力してよい範囲が分からない時は、先に責任者へ確認します。生成AIへ業務情報を入力する前のチェックリストも参考になります。

以下は操作練習用の架空の紹介文です。自分の仕事の資料に置き換える前に、この内容で試しても構いません。

練習用の店:こもれび雑貨店。日用品と手作り小物を扱う。営業時間は10時〜17時、水曜定休。店頭で商品の使い方を相談できる。駐車場と通販の情報は、この資料には記載していない。

この文章を文書ファイルなどにまとめ、「店舗紹介_練習用_2026-11-01」と名前を付けます。日付は練習資料を見分けるためのもので、実在する店の情報ではありません。

手順1:用途が分かるプロジェクトを作る

ChatGPTへログインし、プロジェクトの一覧から新しく作成する操作を選びます。名前は「こもれび雑貨店のお知らせ・練習用」のように、何のための場所か分かるものにしてください。

仕事ごとに何でも一つへ詰めるより、最初は案内文づくりだけに絞ると確認しやすくなります。顧客ごとの資料や別団体の紹介文を同じ場所へ混ぜないようにします。

ここで扱うのは、資料をアップロードして使うChatGPTのプロジェクトです。パソコンのフォルダを接続するローカルプロジェクトとは区別します。自分のパソコンに保存しただけでは、ChatGPTがそのフォルダ内の資料を読める状態にはなりません。

画面上の入口や利用条件は、アプリ、プラン、組織の設定によって異なる場合があります。プロジェクトの作成や資料の追加が表示されない時は、OpenAI公式のプロジェクト案内と、利用中のアカウントの表示を照合してください。設定のために有料契約へ進む必要はありません。

手順2:参照する資料を追加する

作ったプロジェクトを開き、「Sources」などと表示される資料の欄からファイルを追加します。用意した紹介文のファイルを選び、追加後の一覧に名前があるかを確認してください。

その場のチャットへ添付したつもりで終わらず、プロジェクトの資料として置かれたことを確かめるのがポイントです。追加に失敗した表示が出た場合は、その状態で文章づくりを始めないようにします。

最初のチャットでは、いきなり案内文を頼まず、資料を読めるか確かめます。例えば、次のように入力します。

プロジェクトに追加した「店舗紹介_練習用_2026-11-01」を参照し、営業時間と定休日を抜き出してください。資料を読めない場合は、そのように答えてください。書いていない情報は補わないでください。

回答が「10時〜17時、水曜定休」なら、資料の該当箇所と一致しているかを自分でも見ます。ファイル名を答えたことだけで、内容を正しく読んだと判断しないでください。

手順3:共通で守ってほしい指示を登録する

次に、プロジェクト用の指示を編集する欄を開きます。ここには、毎回共通で守ってほしい書き方を短く登録します。今回なら、次の内容です。

店のお知らせの下書きを手伝ってください。読み手は地域のお客様です。短い文で、専門用語を避けて書いてください。店の事実情報は追加した紹介資料を参照してください。資料にない日時、価格、設備、サービスを作らず、不明な点は確認事項として分けてください。

保存したら、指示が残っているかを確認します。「何でもうまく書いて」と広く頼むより、読み手と、補ってはいけない情報を決める方が、回答を点検しやすくなります。

共通指示には、今後も使う条件を入れます。「今週だけ金曜休業」といった一時的な情報は、今回の依頼に書き、いつまでの情報かをはっきりさせます。臨時の事情を共通指示へ残したままにすると、次の案内にも入り込むおそれがあります。

手順4:同じプロジェクトで別のチャットを始める

資料の確認に使ったチャットとは別に、同じプロジェクト内で新しいチャットを始めます。名前や画面を見て、プロジェクトの外で書き始めていないか確認してください。

次の依頼文で、店の紹介のお知らせを作ってみます。

追加した店舗紹介の資料を使い、初めて来店する方への短い紹介文を作ってください。営業時間と定休日を含めてください。駐車場や通販については、資料に情報がなければ本文に加えず、確認事項へ分けてください。

文章が出たら、営業時間、定休日、商品、相談できる内容を原文と照合します。「駐車場完備」「全国発送できます」など、元にない内容があれば、その文を使わず修正します。

言い回しは参考にできますが、店の事実を決めるのは人です。案内文をそのまま公開せず、実際の店の対応と合うか、責任者にも確認してもらいましょう。

資料を更新した時は、参照する版を指定する

例えば定休日が変わったなら、元の資料を先に直し、更新した資料をプロジェクトへ追加します。新旧両方が残る場合は、使うファイル名と適用日を依頼に書いてください。不要な旧版を取り除く場合も、組織で必要な原本は別に保管します。

以前のチャットの文章が、資料の変更だけで正しい内容へ直ると考えないようにします。新しい依頼で「今回の資料から営業時間と定休日を再確認して」と伝え、変更箇所を点検してください。

担当者が休む時も、プロジェクトの名前だけでは別の人が同じ資料へアクセスできるとは限りません。今回は個人で試す範囲です。共同利用が必要なら、組織で認められた共有方法や権限を確認します。アカウントのパスワードを渡して代用しないようにしましょう。

よくあるつまずきと確認先

回答が資料と違う場合は、まずファイル名と内容、使っているプロジェクトを確認します。そのうえで、資料から該当する文を抜き出すよう頼み、回答を原文と比べます。間違いが続く時は、必要な文章だけを依頼へ示して範囲を狭めてください。

読み込めないファイルに対して「読んだ前提で書いて」と頼むのは避けます。ファイルの追加状態を見直し、入力してよい短い文で試す方が確認できます。

前の会話をすべて覚えていることや、指示どおりの回答を毎回出すことは前提にしません。大切な条件は今回の依頼にも短く添えます。プロジェクトは確認をなくす機能ではなく、参照する資料をそろえるための道具として使いましょう。

練習ができたか確認する

  • 同じプロジェクト内に、資料と二つのチャットがある。
  • 共通の書き方をプロジェクトの指示へ登録した。
  • 営業時間と定休日を、原文と照合した。
  • 元にない情報を、公開文へ混ぜていない。
  • 更新時に参照する資料名を決めた。

毎回説明を貼り直す方法から、参照先と共通指示を用意する方法へ変えても、資料を更新する手間と回答の確認は残ります。準備が整えば、言葉の選び方やお客様へ伝えたい内容の相談に力を使いやすくなります。

まずは練習用プロジェクトを一つ作り、公開してよい紹介文を一つ追加してみてください。文章の依頼そのものに慣れていない場合は、初めてのChatGPT活用から始めても構いません。

店や団体の資料をChatGPTで使う範囲に迷ったら、アナデジラボへご相談ください。ChatGPTに渡す資料と案内文づくりについて相談する。