チラシを数人で配る時、「駅前の店には渡した?」「手元に何部残っている?」と、その都度メッセージで聞いていませんか。紙の一覧を撮影して送る方法でも始められますが、複数の写真が届くと、どれが最新か分からなくなります。
Googleスプレッドシートなら、一つの表を共有し、配布先ごとの部数や状態を同じ場所で更新できます。この記事ではパソコンで表を作り、プルダウンで状態を選べるようにし、未配布の行を表示して、担当者へ共有するところまで進めます。チラシの作り方や、配布先の許可を取る方法は扱いません。
始める前に、練習用の二行を用意する
Googleアカウントでスプレッドシートを開けることを確認します。共有する相手も、編集に使うアカウントを確認してください。仕事用のGoogle Workspaceでは、組織外への共有が制限されることがあります。
最初から本物の配布先名や担当者の個人情報を入れる必要はありません。この記事では、次の架空例を使います。
| 配布先 | 担当 | 持ち出した部数 | 渡した部数 | 手元の残部 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| 練習用・会場A | 担当A | 30 | 20 | 10 | 配布中 |
| 練習用・店B | 担当B | 30 | 0 | 30 | 未配布 |
部数は説明用の仮の値です。この例は担当者ごとの一回の持ち出しを一行として、同じ担当者がその配布先を訪れた時点を記録します。「持ち出した部数」は出発時に担当者が持った枚数、「渡した部数」はその訪問で相手へ渡した枚数、「手元の残部」は訪問後に担当者の手元にある枚数です。この練習例では 持ち出した部数 − 渡した部数 = 手元の残部 になります。実際には別の場所へ続けて配ったり途中で補充したりするため、同じ30部を別の行へ重複計上しないよう、担当者と訪問単位を決めてください。表は配布許可を自動で確認しません。
空の表を作り、列の名前を入れる
パソコンでGoogleスプレッドシートを開き、空白のスプレッドシートを作成します。左上のファイル名を「練習用_チラシ配布表」などに変更します。A1からF1へ「配布先」「担当」「持ち出した部数」「渡した部数」「手元の残部」「状態」と入力し、2行目と3行目に上の架空データを入れます。状態欄はF2とF3です。表の位置がずれると、後で別の列にプルダウンを設定してしまうので、まず見出しと値の列が合っているか確認します。
同じ意味の列を増やしすぎると、どちらを更新するか迷います。たとえば「渡した部数」と「実際に置いた部数」を両方使うなら、別の意味がある場合だけにします。練習用では六列で十分です。日付や補充履歴が必要なら、練習後に実際の配布単位に合わせて列を足します。
部数のセルには数値だけを入れ、「20部」と文字付きで入れる方法と混ぜないでください。後から並べ替えたり計算したりする時に扱いが変わるためです。部の単位は列名に入れる方法があります。
状態をプルダウンから選べるようにする
状態列の入力に揺れがあると、「未配布」と「まだ配っていない」が別の値になります。パソコンで F2:F3 を選択し、画面上部の [挿入]→[プルダウン] を選びます。Google公式ヘルプでは、[データ]→[データの入力規則]→[ルールを追加] からも作成できると案内しています。条件で「プルダウン」を選び、「未配布」「配布中」「配布済み」を項目として追加して完了します。画面名が異なる場合は、Google公式のプルダウン手順と照らしてください。
練習用の「店B」の状態セルをクリックし、「未配布」を選び直してみます。別の文字を直接入力して拒否される場合は、プルダウンの設定が働いています。状態の種類は細かくしすぎず、担当者全員が同じ意味で使えるものにします。複数選択はスマートフォンで制約があるため、この記事では一つの状態だけを選びます。
未配布の行だけを表示する
見出しを含む A1:F3 を選んで [データ]→[フィルタを作成] を選びます。見出し行の「状態」に表示されるフィルタの印を押し、表示する値を「未配布」に絞ると、練習用の「店B」だけが見えるはずです。操作はGoogle公式のフィルタ説明でも確認できます。
見えなくなった行は削除されていません。フィルタを解除して二行に戻ることを確かめてください。複数人で同時に使う場合、通常のフィルタは他の人の表示にも影響します。自分だけの絞り込みが必要なら、同じ公式ページにある「フィルタ表示」を選ぶ方法があります。まずは通常のフィルタで仕組みを理解し、共有中に相手の画面が変わるなら表示方法を切り替えます。
共有は「相手が編集できるか」まで確認する
右上の [共有] から相手のGoogleアカウントを指定し、役割を選びます。「閲覧者」は内容を見られますが入力できません。配布した人が状態を更新するなら「編集者」が必要です。配布状況を見るだけの人には閲覧権限で足ります。共有設定はGoogleの公式説明で役割ごとに確認できます。
「リンクを知っている全員」へ広く公開する必要は通常ありません。配布先や担当者の情報を入れる前に、誰が見られる設定かを確認します。共有した相手には、練習用「店B」の状態だけを変えてもらい、作成者の画面にも反映されるか試すと、編集権限と同期の確認を一度にできます。
スマートフォンから参加する人には、共有された表を開いて状態を一つ更新できるか、実際の端末で確認してもらいます。パソコンで作るプルダウンやフィルタの設定と、スマホで値を入力する操作は分けて考えます。端末やアプリの違いで画面が一致しない場合、無理に同じメニューを探させず、まず閲覧と一行更新ができるかを確認します。
配布後の更新例と、止まりやすいところ
練習用の会場Aで、同じ訪問中にさらに10部渡したとします。D2の「渡した部数」を20から30に、E2の「手元の残部」を10から0に変え、F2の状態を「配布済み」にします。C2は持ち出した30のままです。30 − 30 = 0 と確認できれば、入力例の数字はつながります。後日あらためて10部届ける場合には、この行の30を40へ書き換えると最初の訪問記録が分からなくなるため、日付列などを加えた別行で記録する方が見返しやすくなります。ここでの列の取り方は一般的な練習例で、実際の台帳ルールを決めたものではありません。
この表は残部を自動計算しません。計算の間違いを減らしたい場合は、E2へ =C2-D2 と入力すると、持ち出しと受渡の差を表示できます。E3へコピーする前に、E2が0と表示されたかを確認してください。受け取った側が数えた枚数と異なる場合、式が正しいだけで「実際に渡した」とは判断できません。現物を確認し、D列の入力を直します。
入力した行が見つからない時は、削除を疑う前にフィルタが残っていないか見ます。編集できない時は、相手が正しいGoogleアカウントで開いているか、共有の役割が「閲覧者」になっていないかを確認します。部数が文字として扱われる時は「部」などをセルへ混ぜていないかを見直します。
実際の入力を始める前には、練習用の二行を削除するか、別の練習用ファイルとして残し、実データと混ざらないようにします。共有相手には完成した表のリンクを渡し、別のコピーを各自が更新しないよう、同じファイル名と共有画面を確認してください。
最後に、練習用の二行を表示した状態へ戻し、共有相手の編集が反映されたか確認してください。この小さな試行で操作できたら、実際の配布先を一件ずつ入力します。人に聞いていた確認を一枚の表でできるようになれば、配布先とのやり取りや案内の内容に時間を使えます。設定や共有範囲を自分だけで判断しにくい場合は、アナデジラボへご相談ください。