電話で「トップページの真ん中あたりを直してください」と伝えたものの、別の場所が変更されていた。メールで新しい文章を送ったのに、どの文と差し替えるのか聞き返された。ホームページの修正では、依頼する側には見えている場所が、作業する側には同じように見えていないことがあります。
修正依頼の書き方で大切なのは、Webの専門用語を覚えることではありません。一ページのURL、現在の内容、変更後の内容、確認する人、希望時期を一枚へそろえることです。さらに、修正を頼むことと、実際に公開してよいと判断することを分けると、確認途中の内容がそのまま公開されるのを防ぎやすくなります。
この記事でわかること
- 修正箇所をURLと画面内の言葉で示す方法
- 変更前と変更後を並べる依頼テンプレート
- 修正依頼と公開承認を分ける考え方
- 反映前に止める条件と、反映後に確かめる項目
最初に一ページのURLと変更前後を書く
最初からサイト全体の修正点を集めると、どの依頼がどのページに対応するのか分かりにくくなります。まずは、いま直したい一ページだけを選びます。そのページを開き、ブラウザーに表示されているURLを依頼書の先頭へ貼ります。
次に、現在の文と変更後の文を並べます。
対象URL:https://example.jp/service/
場所:「お問い合わせ方法」見出しの下、最初の段落
現在の文:電話でお問い合わせください。
変更後の文:電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。
「文章を新しくする」ではなく、どの文を何に置き換えるかを示すのがポイントです。削除する場合も「この段落を削除」と書き、残す文章との境目が分かるようにします。
場所は画面にある言葉で示す
「上の方」「右側の写真」「二つ目のボタン」は、パソコンとスマートフォンで配置が変わると通じないことがあります。ページ内に表示されている見出し、ボタンの文、画像の近くの言葉を使って示します。
たとえば「会社案内ページの下側」ではなく、「『代表あいさつ』見出しの下にある写真」と書きます。ページに似た箇所が複数ある場合は、スクリーンショットへ枠や矢印を付けて補います。ただし、画像だけを送らず、URLと画面内の言葉も残します。
新しい画像へ差し替える時は、画像ファイルと一緒に「どの画像と入れ替えるか」「画像に写っている人物や商品は何か」「切れてはいけない部分はあるか」を書きます。見た目の好みだけでなく、来訪者へ何を伝えたい画像なのかがあると、依頼先も判断しやすくなります。
一枚の修正依頼テンプレート
修正依頼は、次の項目をコピーして使えます。専用のシステムを用意しなくても、文書やメールの下書きで始められます。
修正番号:
対象URL:
対象箇所:画面に表示されている見出しや文章
現在の内容:
変更後の内容:
変更する理由:
変更しない項目:
添付する画像・資料:
内容を確認する人:
希望時期:
修正案を確認してよい人:
公開してよいと判断する人:
公開してよい条件:
反映後に確認する項目:
問題があった時に戻す内容:
「変更する理由」は長く書く必要はありません。「営業時間が変わったため」「問い合わせ方法を二つ案内するため」のように、作業する人が意図を判断できる一文にします。
希望時期は、「急ぎ」「なるべく早く」だけでは受け取り方が分かれます。社内で必要になる日が決まっているなら、その日を伝えたうえで、作業可能な時期を依頼先へ確認します。依頼した日と公開してほしい日を同じものとして扱わないことが大切です。
自社サイト更新で実際に照合した項目
アナデジラボの自社サイト更新では、文章だけを依頼内容にせず、対象ごとに現在値、変更案、対象URL、変更しない項目、確認する人の判断範囲を記録しました。これは顧客案件の実績ではなく、自社サイトを更新した時の運用記録です。
匿名化すると、一枚の中身は次のようになります。
| 項目 | 記載例 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 対象URL | https://example.jp/service/ |
別ページへの反映を避ける |
| 現在値 | 「電話でお問い合わせください」 | どの文から変えるかを固定する |
| 変更後 | 「電話またはフォームから…」 | 完成形を依頼側と作業側で共有する |
| 変更しない項目 | ページタイトル、URL、既存リンク | 依頼外の変更を混ぜない |
| 確認者 | 内容確認担当/公開判断者 | 内容確認と公開許可を分ける |
| 反映後の照合 | 本文、リンク、対象ページ | 保存できたことと依頼どおりであることを分けて確認する |
| 戻す条件 | 対象違い、文の不一致、依頼外変更 | 問題時に追加変更を重ねない |
ここで大切なのは、項目数を増やすことではありません。「何を変えるか」と同じくらい、「何を変えないか」を明記することです。本文だけを直す依頼なら、URLやページタイトル、既存リンクなどは保持すると書いておきます。
修正依頼と公開承認は別にする
修正案を作ってほしいという依頼は、そのまま公開してよいという許可ではありません。依頼書には、少なくとも次の二つを分けて残します。
- どの内容へ修正するかを確認した人
- 実際に公開してよいと判断する人
同じ人が担当しても構いません。大切なのは、どの時点で何を判断したかが分かることです。アナデジラボの自社サイト更新では、変更本文が承認済みでも、依頼範囲外のSEO項目まで変わる可能性が分かった段階で、本番への反映を行わず停止しました。追加の確認を経て、対象を限定してから反映しています。
この経験から、一枚には「公開してよい条件」だけでなく、次のような止める条件も入れておくと判断しやすくなります。
- 対象URLやページが依頼書と一致しない
- 現在の表示が依頼書を作った時から変わっている
- ページタイトルや検索向けの説明など、依頼外の項目まで変わる
- 確認者が見ていない修正が追加されている
- 元の状態へ戻す方法を確認できない
条件に当てはまった時は、急いで公開するより、いったん止めて対象と承認範囲を確認します。
反映後は依頼書を閉じる前に読み戻す
反映作業が完了したという連絡だけでは、依頼した内容と実際の表示が一致しているかは分かりません。アナデジラボの運用では、対象を限定して反映した後、保存された本文を読み戻し、承認した内容との一致と想定外の差分がないことを照合しました。
読者が同じ考え方を使う場合は、難しい仕組みを用意しなくても、依頼書と実際のページを横に並べて次の順番で確認できます。
- URLが対象ページと一致しているか
- 変更後の文が省略されず表示されているか
- 変更しないと決めた項目が保たれているか
- ボタンや文字のリンク先が正しいか
- パソコンとスマートフォンで読めるか
- 想定外の差分がないか
不一致があった時は、その場で別の修正を重ねるのではなく、依頼書に戻って「どの状態へ戻すか」「誰が再確認するか」を決めます。戻せる状態を先に残しておくのは、失敗を隠すためではなく、問題の範囲を広げずに確認し直すためです。
口頭の説明は一枚を補うために使う
電話や対面で相談すると、背景や細かな希望を伝えやすいものです。その強みを手放す必要はありません。ただし、会話だけを修正内容の正本にすると、後から確かめられません。
先に依頼書を送り、「修正番号2の画像について相談したい」と話します。会話で決まったことは、依頼する側か作業する側のどちらが追記するかを決め、更新した一枚を共有します。これなら、話して理解を深める良さと、文字で残す安心を両立できます。
依頼を増やす前に一件で流れを試す
いきなり複数ページの修正をまとめる必要はありません。まず一ページ、一か所だけでテンプレートを使い、依頼、修正案の確認、公開判断、反映後確認まで通します。依頼先から聞き返された項目があれば、それを次の依頼書へ足します。
大切なのは、依頼書をきれいに作ることではありません。お客様へ何を伝えたいかを考え、社内で表現を確かめ、公開後の案内に時間を使える状態を作ることです。今日の最初の一歩として、修正したいページのURLと変更前後の文だけを書いてみてください。
ホームページの修正依頼を整理したい方へ
「電話とメールに修正内容が分かれてしまう」「制作会社へどこまで書けばよいか迷う」という方は、アナデジラボへご相談ください。今の依頼方法を残しながら、無理なく続けられる一枚の形を一緒に整理します。
よくある質問
スクリーンショットだけで修正依頼をしてもよいですか?
画像だけでは対象ページや最新の表示が分からないことがあります。URLを主な手がかりにし、画像は該当箇所を補う資料として添えます。
デザインの修正はどのように書けばよいですか?
「目立たせる」のような印象だけで終わらせず、対象箇所、困っていること、残したい要素、参考にしたい見え方を分けて書きます。
修正依頼は一件ずつ送るべきですか?
同じページの関連する修正は一枚へまとめられます。別ページや確認者が異なる内容は番号を分け、各項目へURLと変更前後を書きます。