WordPressで案内文を書き直した後、「前の説明の方が分かりやすかった」と思うことがあります。別のファイルに古い文章が残っていないと、記憶を頼りに書き直したくなるかもしれません。
保存履歴が残っていれば、WordPressの「リビジョン」で以前の文章を確認できます。リビジョンは、保存した版を見比べて戻すための標準機能です。ただし、サイトの設定によって履歴が残っていない場合もあります。
今回は、パソコンのブロックエディターで、公開しない下書きを使って練習します。本番の記事をいきなり戻さず、履歴の見方と復元後の確認を先に覚えましょう。
リビジョンで戻すのは、記事の保存版
リビジョンは、投稿や固定ページの文章などに関する保存履歴です。画像ファイルの削除や、プラグイン、サイト全体の設定をまとめて元に戻すバックアップとは役割が違います。
例えば、本文の会場説明を長く直した後、前の短い表現を確認したい時に使います。一方、消えた画像を取り戻したい、サイトが開かなくなった、といった時は、記事の履歴だけでは対応できません。
また、一文だけ直したい時に古い版全体を復元すると、その後に直した別の文章まで戻ることがあります。履歴は「過去の正解」ではなく、その時点の状態です。戻す前に、今の内容と何が違うかを見比べる必要があります。
練習前に、下書きと編集環境を確認する
自分が編集してよいサイトで、新しい投稿の下書きを用意します。タイトルは「リビジョン練習用・公開しない」とし、顧客情報などは入れません。会社の運用ルールで練習投稿を作れない場合は、管理者へ相談して検証環境を使ってください。
WordPressはバージョンによって履歴画面が異なります。WordPress公式のリビジョン案内は、7.0以降の画面と、6.9以前のクラシックな履歴画面を分けて説明しています。この記事も両方の見分け方を示します。
自分のバージョンが分からなければ、管理者に確認します。画面を合わせるためだけに、本番サイトのWordPressやプラグインを更新する必要はありません。クラシックエディターや独自の編集画面では入口が異なるため、無理に同じ場所を探さないようにしましょう。
新規投稿と下書き保存そのものに慣れていない場合は、初心者向けのWordPress投稿手順を先に確認できます。
手順1:違いが分かる二つの版を保存する
練習用下書きに、次の文章を書きます。これは架空の案内で、実際のお客様への告知には使いません。
受付は会場入口です。開始前にスタッフへお声がけください。
まず下書きとして保存し、保存が完了した表示を確認します。次に、本文を以下へ書き換え、もう一度保存します。
受付は会場の奥です。到着後は案内板をご覧ください。
どちらを先に保存したか、短いメモを残しておきましょう。同じ文を変えずに保存を繰り返すより、違いがはっきりした二つの版で試す方が、比較画面を読みやすくなります。
この段階では公開操作を選びません。練習用のタイトルと下書きの状態を確認してください。履歴が表示されなければ、後の「履歴が見つからない時」へ進み、設定ファイルなどを自分で変更しないようにします。
手順2:記事の設定からリビジョンを開く
編集画面の設定サイドバーを開き、「投稿」または「固定ページ」の設定を選びます。ブロック単体の設定ではなく、記事全体の設定です。その中にある「リビジョン」の件数を選びます。
7.0以降の標準画面では、保存された版の一覧と、時点を選ぶスライダーがある履歴画面が開きます。以前の版を選ぶと、どの部分が変わったかを確認できます。
6.9以前などのクラシックな履歴画面では、左右に文章やHTMLが並ぶ比較表示になります。HTMLは見出しや段落などを表す記号を含んだ文章です。この画面で記号を書き換えようとせず、まず日本語の文章と保存日時を見比べてください。
色や見た目だけを頼りにせず、どの時点の版を選んでいるかを確認します。練習では「会場入口」と「会場の奥」のどちらが表示されているかが、見分ける目印です。
手順3:保存日時と変更箇所を見比べる
一覧やスライダーで、最初に保存した「受付は会場入口です」の版を探します。保存日時と投稿者の表示も確認し、本文が自分のメモと合うかを見てください。
実際の仕事であれば、会場説明を戻す前に、それ以外の変更も確認します。例えば、その後の版で申込締切や問い合わせ先を修正していたなら、古い版全体を戻すことで、それらまで古くならないかを判断します。
一文だけ使いたい場合は、必要な文章を控えて編集画面に戻り、その部分だけを直す方法もあります。文字のコピーが難しければ、内容を読んで短くメモします。版全体を復元する操作と、一部分を参考にする作業を分けると、変更を小さくできます。
複数人が編集している記事は、別の人の修正を確認せず戻さないでください。「何時の版の、どの文章を戻したいか」を担当者へ伝えます。自分が編集した時点より後に保存があるなら、作業を重ねてよいかを先に確認しましょう。
手順4:対象の版を復元し、内容を確認する
練習用下書きで、戻したい版を選んだ状態から復元操作を選びます。新しい画面では「Restore」、日本語表示やクラシック画面では「復元」「このリビジョンを復元」などと表示される場合があります。確認画面が出た時は対象を読んでから進めてください。
復元後は、履歴一覧で終わらず、編集画面へ戻って本文を確かめます。「受付は会場入口です」に戻ったか、ほかの文がどうなったかを読みます。練習用投稿が下書きのままであることも確認してください。
次にプレビューを開き、見出し、段落、リンクなどを見ます。編集画面の文字が戻っていても、実際の見た目まで確認して一区切りです。練習が終わったら、管理者のルールに沿って下書きを保管または整理します。
公開済み記事の復元は、本番内容を変更する操作として扱ってください。 復元後に公開画面へ反映するタイミングを、確認用下書きと同じとは考えません。更新ボタンを押すまで公開内容は変わらない、と決めつけず、事前に管理者へ手順を確認します。
履歴が見つからない時は
リビジョンの項目がない場合は、まず別の投稿を開いていないか、下書きの変更を保存したか、記事全体の設定を見ているかを確認します。変更前の保存版がなければ、過去の文章を履歴から選ぶことはできません。
サイトの設定で保存数を制限したり、履歴を残さないようにしたりすることもできます。古い版がない時に、設定を変えれば消えた履歴が戻るとは考えないでください。必要なら管理者へ、投稿名と最後に確認できた時点を伝えます。
「自動保存」は作業中の内容を保護する仕組みですが、任意の時点を無制限に残す履歴とは異なります。自動保存の復元案内が表示された場合も、日時と内容を見て判断します。今回の練習では、意図して下書きを保存した版を比較します。
本番の記事を戻す前のチェック
- 戻す投稿名と保存日時が合っている。
- 一部修正で足りるか、版全体を戻す必要があるか判断した。
- その後に直した日時、価格、連絡先まで古くならない。
- 別の担当者の変更を確認した。
- 現在の文章を、組織で決めた場所へ控えた。
- 復元後に本文、状態、プレビューと必要な公開画面を確認する担当を決めた。
担当者が不在なら、急いで復元せず、戻したい文章と候補の保存日時を残して引き継ぎます。履歴を見つけた人と、公開内容を変更してよい人が同じとは限りません。
前の文章を探せる状態から始める
記憶だけで打ち直す方法に比べ、リビジョンを使うと、保存された文章を見比べて判断できます。その代わり、戻した後に古い情報が混ざっていないかを読む作業は必要です。
まずは公開しない下書きで、違いの分かる二つの版を保存し、履歴を開いてみましょう。文章を探す手がかりができれば、伝える内容そのものの確認に集中しやすくなります。
自社サイトで履歴を使えるか、本番の記事をどう戻すか迷ったら、アナデジラボへご相談ください。WordPressの保存履歴と文章の復元について相談する。